催眠療法は心の部分に働きかける強力なツールです。人によっては、催眠というのは瞑想の一種ではないかと思っているようですが、明らかに違うものです。催眠療法は、目指している結果に向けた誘導イメージです。それは、潜在意識が現実と想像を区別できないということに着眼しているからなんです。
まだ医療と臨床的な催眠療法の融合がなされていないのが現状です。西洋医学には人間は身体であるという考え方があり、心や魂といった領域をケアしようとはしません。最近では、そういった心理的なものやスピリチュアルなものを医療に取り入れようとする医者もでてきましたが、まだまだ少数です。その主だった理由は、医者は多忙で時間がないことかもしれません。お医者さんも薬が万能薬でないことは知っています。でも患者さんは、お医者さんや薬が病気を治してくれると信じています。お医者さんが患者と心を通わせずに、患者に合った治療法を探そうとしないのは残念ですね。
身体というのは素晴らしい、精巧なメカニズムをを備えています。その最たる機能が免疫機能です。潜在意識は身体の中で今現在起きていることを分かっています。多くの人が、自分の身体の中に素晴らしい薬局があることに気づいていません。例えば、身体は麻薬以上に強力な鎮痛剤を体内で作り出すことができます。たとえ身体の中で何が起きても、それに対処する化学物質を自動的に生みだすという自浄作用があります。一つ例を挙げます。病気になると熱が出ますね。これは身体の免疫機能が熱をあげて自浄するからです。高温になればなるほど、多くのウィルスや細菌を死滅させることができます。こういった働きかけが、身体の免疫機構です。
患者の心の働きと、西洋医学的な治療法をどのように協調させていくことができるのかという先取的な考え方を持っている医者も増えてきています。しかし、実際は忙しすぎて催眠療法などを行う時間がとれないのが現状です。アメリカでは、専門の催眠療法士を雇っている場合もあるそうです。今後は日本でも医者と催眠療法士が強調し合うようになれたらいいと私は思います。