私達って、どうしてこうも物事を悪い方へ悪い方へと考えてしまうのでしょうかね。いっくら物事を良い方へ考えなくちゃ、ポジティブシンキングしなきゃと思っても、どうしても悪い考えが浮かんできてしまうものです。違いますか?
こうして悪いことばかり、否定的なことばかり考えているのは、私だけではないはずです。もし、私とこれを読んでいるあなたの脳が多少なりとも似ているのなら、消極的な考えや否定的な考えには事欠かないはずだと思うんです。
私がこう考えるのにはちゃんとした理由があるんですよ。ちょっと説明してもいいですか?もしかしたらすでにご存知かもしれませんが、人間の脳というものは、ネガティブな考え方をするように進化してきたんです。私たちの遠い祖先は、常に危険と隣り合わせの世界で暮らしていました。例えば、鋭い牙を持ったライオンのような危険な動物や、クマのように巨大な動物が、まわりをうろついていたわけです。日常的にこれらの獰猛な動物たちに命を奪われてしまう危険の中で暮らしていたわけです。実際当時の人たちは長生きできませんでした。
ですから、その当時、脳はいつでも危険がないか警戒し、自分を傷つけたり、自分の害になったりしそうなものを先読みする必要があったわけなんですね。「気をつけろ、洞窟の奥にはクマがいるかもしれなぞ。」「あの草むらの中にはオオカミがいるかもしれないぞ」「向こうに見えるのは仲間だろうか?それとも敵だろうか?」
原始人の脳がこの仕事をうまく使いこなせなかったら、すぐに死んでしまいますよね。そして脳がこの仕事をうまくして来てくれたおかげで、人間はこの地球上で一番上に地位しているのです。
そして、この物事を先回りして、否定的に考えるという脳の働きは現代の私たちにもしっかりと受け継がれているのです。現代人の脳も、「自己防衛真マシーン」になっているのですね。この機械は、ものごとが悪い方へと進まないように、絶えずあなたに警告してきます。「そんなに食べたら太って醜くなるよ」「試験で失敗するかもしれなぞ」「大好きな彼に拒絶されるかもしれないよ」「事業に失敗して一文無しになるかもしれないぞ」「きっとがんばっても成功できないかもしれないよ」「いずれ病気になって苦しむかもしれないよ」これが普通なんです。誰でもそうなんです。私もあなたも、どんなにお金持ちだろうが、どんなに社会的に成功していようが、日本人だろうがインドネシアじんだろうが、男だろうが女だろうが、どんな人のマインドも、こうやって警告してくるんですね。なぜなら、脳は生き残るために、ネガティブな考え方をするように進化してきたからなんです。人間の脳というものはただ、自分を守っていき伸びるという一番大切なことをしてくれているだけなんですね。
ですから、あなたが、自分は悪いことばかり考えてしまっていると思っているのなら、それはあなただけではないんですよ。悪いことを考えてしまうのは、普通なことなんです。